36年と3ヶ月
2007年 06月 29日
今年の6月で定年とは知っていたけど、今日がその人は知らず、酔っ払って母からの着信にかけなおすと。
「今日でお父さんは遂に定年だよ。『長い間お疲れ様でした』ってメール打ったの。」と母。
そうか!今日だったんだ!
私は涙が溢れてきた。
外だというのに、涙がぽろぽろ落ちてきて困った。
36年と3ヶ月。
ひとところで勤めあげることが、どれだけ大変なことか。
なんて凄いんだろう。
それなのに私はと言えば、こんな時間まで(深夜0時過ぎ)何をしていたかと言うと、会社の仲のいい上司に転職の相談。
たった1年と4ヶ月。
私が生まれる前から働いていて、兄が生まれ、私が生まれ、歩けるようになり、しゃべれるようになり、小学校にあがり、中学生になり、高校に進学し、短大に入り、一年研究生で大学に残り、社会人になり、音楽やるって言って会社を辞め、バイトをし、恋をし、失恋し、また出会い結婚するまでの間、父はずっと同じ職場で働いてきた。
父の会社は外資系の製薬会社で数年前合併をして大変な時期があった。
そのとき、父のとっても可愛がっていた後輩が自ら命を絶ち、家族ぐるみで仲の良かった父の同僚が命を絶ち、そして奥さんが後を追って命を絶った。
あのとき初めて父の涙を見た。
どれだけの悲しみとやり切れなさを抱えて働き続けたろう。
それでも父が遅刻をしたり休んだりする姿は見たことがなかった。
もう尊敬の念でいっぱいです。
一時期はお父さんなんて大ッ嫌い!と思っていたこともあったし、お父さんの入った後のお風呂には入らない!なんて言っていた事もあった。
もらったおこずかいでまだ早すぎる化粧品を買ったり、変な通信教育に申し込んでお金を無駄遣いした。
「一人でやれる」なんて思いあがりも甚だしい思春期時代。
父の稼いだお金で、キレイな家に住み、美味しいものを食べ、友達とカラオケに行っていたのだ。
自分一人だったら屋根のあるお家にも住めないだろう。
36年と3ヶ月、本当に今まで感謝、感謝です。
色んなことがあったんだろうな。
乗り越えてきたんだろうな、と思うともう本当に感慨深いです。
今日は父が採用した100人以上の部下たちがみんなでお祝いを開いてくれたそうです。
きっと部下にも慕われていたんだろうな。
お父さん、今まで本当にありがとうございました。
長い間本当にお疲れ様でした。
これから趣味に没頭してくださいね。
▲ by kusanohiromi | 2007-06-29 15:23