与える人
2010年 11月 29日
母は病気をしてから入退院を繰り返し、東京に来ることは滅多にありません。
来ても歩くのが大変だから観光もできないし、人混みを歩くことも避けなければなりません。
片目も見えなくなってきて、去年買ったプリウスも売っちゃったんだとか。
それでも、泊まってる五反田から電車に乗り継いで遊びに来てくれました。
駅前でお花も買ってくれました。
自分は、渋谷でお父さんが好きなものを買ってあげると言っても安い財布しか選ばない。
それなのに私には、お金の入った封筒をくれました。
昔子供のころ、大人ってお菓子とか食べない生き物だと思っていました。
お菓子が残ってもお母さんが食べずに子供たちに「食べなさい」と言っていたから。
でも自分が大人になって、大人もお菓子を食べることを良くわかっています。
父も母も、ずっと与えてくれていたのだ。
見返りも求めず、ただただずっと与えてくれていたのだ。
与える人。
親ってすごい。
私はそんなに与える人になれるのだろうか?
見送った駅の改札。
小さくなった背中。
見えなくなるまで手を振って、泣きそうになった。
今度会えるのはいつだろう。
そのときまで元気で、どうか元気でいてください。
by kusanohiromi | 2010-11-29 16:17