さようなら立川
2011年 02月 28日
今までは立川のショールームで働いていたんだけど、新宿ショールームで働くことになりました。
もう11月から決まっていたことで、先のことだと思っていたらあっという間に2月も終わりとなってしまいました。
立川ショールームに来て2年。
水を得た魚のように、毎日飛び跳ねて伸び伸びと、それはそれは楽しく元気に仕事をしていました。
メンバーが良かった。
最高に楽しかった。
みんな、男みたいにサバサバして強くて逞しくて。
もう時効だから書こう。
私は、この日のことを忘れることがないだろう。
今までにこんなことは一度もなかった。
接客業なのに、こともあろうに私はお客さんと大喧嘩したのである。
あるとき、常識外れの癇癪持ちのお客さんが来た。
オープン15分前に来店し、自動ドアをガンガン手で叩き、「中に入れないなら帰るぞ!」と叫ぶ。
仕方がないので「どうぞ中でお待ちください。」と言うと、「最初からそれ言われるのを待っとったんじゃ!」と言うものの癇癪を起して「もう帰るわ!」と一度は出て行った。
ところがしばらくすると戻ってきて自ら自動ドアを手でこじあげ中に入って来て、開店前からショールーム内をうろうろ。
しまいには「自動ドアが開店より2分早くスイッチが入った、お前の会社は開店まで客を入れない方針なんちゃうんけ!」という理不尽な言い分と「2分早くスイッチを入れた理由を述べよ」ということで10分間も頭を下げさせられる羽目になった私。
前の会社でもその前の会社でもクレーム処理は得意。
だいたいは私の丁寧な謝り方で最後には落ち着くのに、こいつは手強い。おかしいな、全然効かない、と正直思った。
「不快な思いをさせて申し訳ございませんでした。最初から中でお待ちいただくべきでした。」と何度も頭を下げ謝ったが許してくれなかった。
そして「お前のすみません、はほんまにすみませんと思ってない。」と言われ、謝ることすらできなくなり。(ま、実際悪いと思ってなかったしね。)
そのあとも、涙を堪え、悔しさを堪え、震える手と体をカタカタ言わせながら書類をめくり接客に入った。
新築現場。
これから1時間~2時間もこんな嫌な奴の建てる家のことに親身になって接客なんて私できない。
そんな思いでいっぱいだったけど、堪えて堪えて頑張った。
そんな中、その客は私のちょっとした言葉尻を上げ足を取って罵倒し始めた。
止まらない。
他のアドバイザーも血の気が引き、静まりかえるショールームの中で、私は怒鳴られ続けた。
しかも客の単なる勘違いによって。
お客様は神様なんかじゃない。こんなめちゃくちゃな言い分を聞き入れる必要は全くない。
おかしいことはおかしい!
カーンっとゴングの音が鳴った。(ような気がした)
そうして私は完全にキレた。
「そこ大事ですか?」
「だからさっきから何回も○○って言ってるじゃないですか!じゃあなんて言ったら納得するんですかっ!」
まさか言い返されると思っていなかったその客は、顔を真っ赤にして震えだした。
火に油を注いだらしい。
もう手に負えなくなった。
そこで出てきた我らがリーダー。
勤続11年目のベテランだ。
「もう下がっていいよ。」と私の肩に手をやり客と私の間に割って入ってきたリーダーは、まず客に「私どもの教育が至らずに大変申し訳ございません。」と深々と頭を下げた。
そして彼女はこう続けた。
「でも、彼女の言っていることは間違っていないんですよ。」
・・・・・・!!!!!
この言葉がどれだけ私を救ったか!!!!
リーダーはその後、憤慨して怒り狂う客を1時間も接客し続けたのだ。
凄すぎる。
立川では既に「伝説」と言われている前代未聞のこの事件。
リーダーには一生頭が上がらないし、相当感謝している。
その日、信じられないほど凹んでいる私に親友は「お客様と喧嘩するなんてありえへん。お客様は神様やで。そんなんは個々のホスピタリティーの問題や。」と説教した。
それが一番、喧嘩したことよりももっと、悶絶するほど悔しかったなぁ。
傷口にわさびとからしとハバネロを塗られたみたいな。
そんな立川での思い出。
2度の送別会と、みなさんからのプレゼント。
最後の出勤ではみんな泣いてくれて。。。
私の財産です。
最後の帰り道、なんとも言えない切ない気持ちになったのです。
ありがとう!
by kusanohiromi | 2011-02-28 00:59